お知らせ

呼吸のし過ぎは逆効果?適切な呼吸量とは

2024.06.04

人間は1日に約2万回呼吸すると言われています。しかし、自身の状態次第では、呼吸の量が変化します。この投稿では、現代に多い「安静時の呼吸のし過ぎ」に関する内容になります。以下に心当たりのある方には必見の内容となります。

 

呼吸のし過ぎが良くない理由

・交感神経優位な状態から抜け出せなくなる

自律神経には2つの神経があります。交感神経(興奮、緊張)と副交感神経(リラックス、休息)です。理想的な自律神経の働きは、日中には交感神経が優位になり、活動的な生活を送り、夕方から夜にかけて副交感神経が優位になり、自身の身体を回復させるという波のある状態です。しかし、常に呼吸量が多い人は交感神経が優位に働きっぱなしになるので、副交感神経が優位になりにくいです。結果として、十分な回復が取れず、疲労感、頭の働きも落ちてしまいます。

・内呼吸では酸欠になる

私たちの呼吸には2種類あります。外呼吸と内呼吸です。外呼吸はいわゆる一般的な呼吸のことで、大気から肺に酸素を取り込み、二酸化炭素を放出する呼吸のことです。内呼吸は外呼吸で得られた酸素を、血液を介して細胞に送り込み、二酸化炭素を肺に送る呼吸のことです。

体内の二酸化炭素量が多ければ多いほど、内呼吸で末梢の細胞にまで酸素を送り込むことができますが、常に呼吸量が多い人は、体内の二酸化炭素量が少ないため、細胞に酸素が送り込まれません(ボーア効果)。結果として、手足の冷え、血行不良を招くことがあります。

 

呼吸の量を増やす原因

・ストレス

バケツを例にすると、私たちはストレスの水が入るバケツを持っています。バケツに水が収まる内はまだ良いのですが、水の量が多くもしくはバケツの容量が小さすぎて、バケツから水が溢れたときにストレス反応を起こし、交感神経が優位(過剰)に働きます。ストレスの水の成分は以下の通りです。

 

・口呼吸

日常、安静時においては鼻呼吸(鼻から吸って鼻から吐く)が理想ですが、大人に限らず子供でも口呼吸になっていることはよくあります。1番の原因は舌の位置が低いことで口呼吸しやすい口の環境になっていることです。コロナ渦では、1日中マスクをし、会話量も減ったことで知らず知らずのうちに口呼吸になっていたかもしれません。また水泳や陸上、吹奏楽などで口で呼吸する競技の習慣がそのまま日常の習慣になっていることで口呼吸になっているかもしれません。

 

呼吸量が適正か確かめるセルフチェック

・CP(コントロールポーズ)

座って安静な状態で行います。普段通りの呼吸を数回して、吐いた後に息を止めます。そして、息を吸いたいと感じるまでの秒数を計測します。20秒以上息を止められることが1つの目安になります。

 

呼吸量を適正にするセルフエクササイズ

・秒数を指定した呼吸

吸う、吐く、止めるの秒数を統一して呼吸します。

(例)10秒吸う、10秒吐く、10秒止める、繰り返す

例の通りだと、1分間に2回呼吸をすることになるので、かなり呼吸量を減らすとともにリラックス状態に導くことができます。苦しい場合は7秒など調整していきましょう。

 

最後に

安静時の呼吸を適正化するために一番重要なことは「リラックス状態になること」です。意識的に良い呼吸をしようとしても、それは1日約2万回のうちの少しに過ぎません。呼吸のエクササイズを行うのと同時進行で日常のストレスの原因となる要素を減らすことにも取り組むことで、早い改善が見込めます。

シェアする

一覧へ戻る