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「捻ると怖い」を卒業!腰痛持ちでも安心して身体を回せるようになるセルフチェック&エクササイズ

2025.11.01

身体を捻る動作は日常生活からスポーツ全般まであらゆるシーンで行われる一方で、痛みを感じやすい動作の1つでもあります。

そのため、腰痛などを経験された方は「身体を捻る=痛くなりそう、怖い」というネガティブな結びつきが強くなり、結果として捻る動作を避けるようになりがちです。

本記事では、身体を捻る動作で具体的に何が起きているのかという仕組みの説明に加え、捻り動作のセルフチェックから可動域向上エクササイズまでをご紹介します。

腰痛にお悩みの方、捻る動作に不安がある方、ゴルフやテニスなどの回旋系のスポーツを行っている方は、ぜひ最後までお読みください。


回旋動作を理解するための基礎知識:動く関節と安定させる関節

捻り(回旋)運動の説明に入る前に、身体の関節について触れておきましょう。

関節は身体の至る所に存在し、運動に関わっています。しかし、すべての関節が高い可動性を持つわけではありません。身体には「可動(動くこと)に特化した関節」と「安定(支えること)に特化した関節」がそれぞれ存在し、これらが交互に配列されています(写真1)。

【可動関節(動きに特化)】 肩関節、股関節、胸椎など、自由度の高い関節。

【安定関節(安定に特化)】 肘関節、膝関節、腰椎など、自由度の低い関節。

可動関節に可動の役割を、安定関節に安定の役割を適切に与えることができれば、身体は不自由なく動きます。しかし、可動関節に安定の役割を、安定関節に可動の役割を無理に与えてしまうと、ケガやパフォーマンス低下の原因となる可能性が高くなります。


回旋(ひねり)動作の主役はどこ?体幹と下半身の役割

この基礎知識を踏まえて、話を回旋(ひねり)に戻しましょう。以下の図は、背骨(脊柱)の中でどの方向にどれくらい動くかを示しており、回旋は真ん中の青色のグラフで示されています。

可動関節である胸椎は、他の背骨に比べて骨の数も多いため、回旋の合計角度は約35度です。対して、安定関節である腰椎は、丸める・反る動作(緑色のグラフ)の角度は大きいものの、回旋に関しては合計角度は約5度とごくわずかです。

したがって、体幹部での回旋は胸椎の可動性が極めて重要視されます。
 

続いて、下半身の回旋について見てみましょう。

こちらはゴルファーのテイクバックの様子です(写真2)。

この写真から、膝やつま先がボールに向かっているのに対し、ベルトのバックル(骨盤部)が右足の方に向いていることが分かります。

これは、大腿骨と骨盤で構成される股関節の回旋が起きていることを示しています。下半身の関節には、他に膝関節や足関節も存在しますが、股関節と比較すると回旋角度は圧倒的に少ないです。

したがって、下半身での回旋は股関節の可動性が重要視されます。


ご自身の回旋角度をチェック!セルフチェック方法

ここまでのまとめとして、回旋動作のポイントは以下の2点でした。

・関節には「可動に特化した関節」と「安定に特化した関節」がそれぞれ存在する。

・回旋においては、体幹部は胸椎の可動性、下半身は股関節の可動性が重要視される。

では、実際にご自身の回旋角度がどれくらいかを2つの動作でチェックしてみましょう。

1. 全身の回旋チェック(立位)
立位(立った状態)での回旋動作です。全身の回旋動作は約100度と言われています。ぜひ鏡に背を向けて捻ってみましょう。

目安: 回旋した際に「遠い方の肩が見えるか」が分かりやすいサインです。

2. 体幹部の回旋チェック(座位)
座った状態での回旋動作です。骨盤が固定されるため、体幹部(主に胸椎)の回旋角度に限定したチェックができます。

目安: 約40度回旋できることが目安です。

そして、2つのチェックをしたときに起こりうる結果を以下にまとめてみました。


可動域アップのための回旋エクササイズ

2つのチェックでご自身にどちらの回旋が不足しているかが分かったら、以下のエクササイズを行ってみましょう。

もちろん両方行っていただいても構いませんが、不足している側のエクササイズを多めに行うことをお勧めします。

1.上半身の回旋エクササイズ

 
2.下半身の回旋エクササイズ

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