お知らせ

動作の多様性を増やす

2024.11.01

唐突ですが、駅から自宅まで、買い物袋を持って帰る場面を想像してみてください。

買い物袋の重さにもよりますが、多くの方は、途中で「持ち手を変える」「握る指を変える」「肘や肩にかける場所を変える」など、持ち方を変えながら帰宅するのではないでしょうか。

これは、同じ持ち方を続けると関節や筋肉に負荷がかかり続けるため、持ち方を変えることで負担を分散させようとするからです。したがって、さまざまな持ち方ができることが理想的です。

このように、動作にバリエーションを持たせることができることが「動作の多様性」の一例です。

次に、「動作の多様性」をマクロとミクロの観点から考えてみましょう。

マクロ(大きな)多様性とは、冒頭の例にあるような「買い物袋の持ち方を変えること」を指します。

一方で、ミクロ(小さな)多様性とは、動作における「筋肉の動員パターン」、つまり筋の働き方のパターンの数を指します。

ここで、ミクロな多様性に関する興味深い研究をご紹介します。

腰痛患者と非腰痛患者に、物を持ち上げる動作を複数回行ってもらい、その際の背中にある脊柱起立筋の働きを調べた研究があります。

脊柱起立筋は、いくつかの層に分かれて構成される大きな筋肉です。

結果として、腰痛患者では「毎回、同じ部分の筋肉が働いている」ことがわかりました。

一方、非腰痛患者は「同じ動作でも、毎回異なる部分の筋肉が働いている」ことがわかりました。

腰痛患者のように「毎回、同じ部分の筋肉が働く」場合、特定の筋肉に負担が集中しやすく、疲労が蓄積されやすくなります。

この内容の結論としては、まずマクロな多様性(動き方のパターン)を増やすことで、ミクロな多様性(筋肉の動員パターン)が育まれる、ということです。

エクササイズのレパートリーが豊富なピラティスは、動作の多様性を増やすための効果的な手段といえるでしょう。

例として、主に腹筋を鍛えるためのエクササイズをピックアップしています。姿勢や使用するマシンの種類、強度など、さまざまな環境で腹筋を使う経験を積むことで、マクロとミクロ両方の多様性が育まれます。

ぜひ参考にしてみてください。

シェアする

一覧へ戻る