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【姿勢と呼吸の要】反り腰・浅い呼吸を改善!横隔膜の働きをチェックする2つの方法と改善エクササイズ
2025.10.19
横隔膜は呼吸の要となるだけでなく、正しい姿勢を保つためにも非常に重要な筋肉です。
しかし、横隔膜は筋の収縮・伸張を伝える固有受容器(筋肉の動きを感じるセンサー)が少なく、筋自体の動きを自覚することが難しい筋肉です。
そこで今回は、間接的なサインからあなたの横隔膜が正しく機能しているかをチェックする方法と、その機能を促す簡単エクササイズをご紹介します。
横隔膜の働きと機能低下が招く問題
横隔膜はドーム状の形をした筋肉で心臓・肺と肝臓・胃・腸などを隔てる位置に存在します。
主な役割は呼吸筋として働き、息を吸う時には筋が収縮し、ドームが低くなります。それによって肺の体積が増え、空気が入ってくるという仕組みです。息を吐く時には筋が弛緩し、ドームが高くなります。それによって肺の体積が減り、空気が出ていくという仕組みです(図1)。
しかし、慢性的に呼吸が浅くなっていると横隔膜のドームは低い位置で固定され、息を吸うときには他の付着部である腰部を前方に引っ張るような動きをします。その結果、いわゆる反り腰のような姿勢になっていきます。加えて、ドームが動かなければ肺の体積が増えないため、他の部分を拡張させる必要があります。その代表的な動きが、両方の首の筋肉を使って胸部を上方に引っ張る動きです(図2)。
姿勢への影響: ドームが低い位置で固定 → 息を吸う時に腰部を前方に引っ張る(反り腰)
呼吸の代償: ドームが動かない → 肺の体積が増えない → 両方の首の筋肉を使って胸部を上方に引っ張る(肩が上がる呼吸)
横隔膜の働きを調べる方法
□お腹の周径が全体的に変化しているか
横隔膜がしっかり上下運動をしている場合、息を吸うとドームの下降によってお腹の中の圧力が高くなり、お腹周り全体が360度拡張します。息を吐き切ると腹筋の働きによってお腹の周径は縮小し、ドームが高い位置に戻っていきます。したがって、お腹の周径が呼吸によって変化がある場合、横隔膜が正常に働いている可能性が高いです。
□息を吸う時も首の動きがスムーズか
図2で説明したように、横隔膜の上下運動が起こらないと息を吸う時に両方の首の筋肉が代償として働きます。首を左右に振る運動は一方の首の筋肉が緊張し、もう一方は弛緩していなければスムーズにできない運動です。もし、息を吸う時に首の筋肉が過度に使われている場合は、両方の首が緊張しているため、首がスムーズに振れないことがあります。息を吐いた時と首の動きを比較してみましょう。
横隔膜の働きを促すエクササイズ

横隔膜のドームを再獲得するためには、「腰の反りを抑え、息を完全に吐き切る」ことが重要なポイントです。こちらの画像では、足裏を天井に向けた状態で呼吸をしています。通称「6カ月ポジション」とも呼ばれ、生後6カ月の赤ちゃんがとる体勢でもあります。この体勢によって、腰の反りを抑えることができます。
呼吸の意識としては「吸う秒数の2倍の秒数で吐き、3秒間息を止める」ことを推奨します。
(例)4秒間吸う、8秒間吐く、3秒間止める
ぜひ、1分から始めてみて、慣れてきたら3分~5分と時間を増やしてみましょう!
執筆者:Yuhei


