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息を吐く筋は衰えやすい?

2025.07.09

息を吐くときって、筋肉を使っているの?
普段、私たちは無意識に「息を吸ったり吐いたり」しています。
特に安静にしているとき(座っている・寝ているなど)、息を吐くときには「筋肉の力を使っている」と思われがちですが、実はちょっと違います。

息を吐くときは、肺や胸まわりの組織が「自然に元に戻る力(バネのような力)」を使って、空気を外に押し出しているのです。

これを「弾性反跳(だんせいはんちょう)」といいます。


呼吸のしくみを簡単に説明すると
息を吸うときは、肺がふくらむように働く筋肉(お腹の中にある「横隔膜」や、あばらの間にある「肋間筋」など)が収縮します。

肺がふくらむと、中の組織や皮膚、筋肉が少し伸ばされます。

その筋肉がゆるんだときに、自然と肺や胸が元の位置に戻ろうとして、空気が押し出される。これが「息を吐く」動作です。

このとき、特別に力を入れたり筋肉を使ったりしているわけではありません。


年齢とともに「自然に息を吐く力」は弱くなる?

歳を重ねると、肺や胸の弾力が少しずつ失われていきます。

例えば:

・肺そのものの柔らかさが減り、ふくらみにくくなる

・あばら骨の動きが硬くなり、胸全体が広がりにくくなる

・筋肉や皮膚の柔らかさが落ちて、呼吸が浅くなりやすくなる

このような変化で、「自然に息を吐く力」が弱くなり、息苦しさ・姿勢の崩れ・体幹の不安定さにもつながることがあります。


年齢以外でも「呼吸の力」が落ちる原因は?
以下のような生活習慣や身体の状態も影響します:

・タバコ(肺の組織を壊してしまいます)

・慢性的な炎症や病気(肺や筋肉が硬くなる)

・運動不足(胸やお腹まわりの筋肉が衰える)

・栄養の偏り(筋肉や皮膚の質が低下)

・長年の猫背や不良姿勢


息を吐く力が弱くなると、どんなことが起きる?
・呼吸が浅くなり、疲れやすくなる

・姿勢がくずれ、腰や背中に負担がかかる

・体幹(お腹まわり)の安定性が下がり、ふらつきやすくなる

・緊張しやすく、リラックスしにくくなる

こうしたことが気になる方には、呼吸を整えるトレーニングがとても効果的です。


息を吐く力を取り戻す方法のひとつ:風船トレーニング
最近、リハビリやピラティス・トレーニングでも取り入れられているのが、風船を使った呼吸のトレーニングです。

やり方はとてもシンプル。

鼻から息を吸う

口をすぼめて風船にゆっくり息を吹き込む

少しずつ、深く、時間をかけて吐く

これだけで、以下のような効果が期待できます。

・息を吐く筋肉(お腹・肋骨・骨盤まわり)の強化

・胸の動きがなめらかになり、姿勢も整いやすくなる

・呼吸が深くなり、リラックスしやすくなる

・お腹の圧力が安定し、腰への負担も減る


注意点もあります
風船トレーニングは優れた方法ですが、以下の点には注意してください。

・肩や首に力が入らないように(リラックスが大切)

・血圧が高い方は医師と相談を(強く息を吐くと血圧が上がることがあります)

・最初は無理せず、ふくらませやすい柔らかめの風船から始めましょう


まとめ
・安静にしているときの呼気は、ほとんど「自然な力(弾性反跳)」で行われている
・年齢や生活習慣によって、その力は失われやすい
・呼気の機能が弱まると、疲れやすさや姿勢の崩れにつながる
・風船トレーニングは、息を吐く力を取り戻すシンプルで効果的な方法

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